パイロットクラスの小規模なシステム構成で DB サーバーと AP サーバーが同一サーバーに存在するとき、ラウンドトリップはループバックやプロセス間通信によって軽微な影響しか与えないかもしれない。しかしシステムが順調に成長しデータも増えて、予算も調達できた。ここでサーバーのグレードアップ!と DB と AP サーバーを最新スペックのマシンに置き換えて計2台にして負荷分散。これでシステムも以前のように快適になるだろうと期待してリプレースも無事完了、オンライン業務でも稼動確認OKでひと安心。ところが月末のバッチ処理に、その隠れていて気づかなかった問題がついに表面化することになる。
同一サーバー上にあったことで気にもならなかったラウンドトリップは比較的重いとされる TCP/IP などのプロトコルによって (ベストエフォートな)共有ネットワーク上の「ある1パケット」 として運ばれる。場合によってはソフトウェア・ファイアウォールを通過しなければならない。ラウンドトリップの回数は大きくなったシステムに比例して右肩上がりに増えている。結果として全体のスループットが明らかに旧サーバーのときよりも遅くなったようだ。現行システムに新たに投資してサーバー増やして負荷分散したことによってオンライン処理は、以前のレスポンス程度にはなったんだけど、、、夜間バッチ処理が朝までに終わりません……これ、どういう事?という業務メールが朝いちにやってきて笑えない事態になったりする。